●HOME >  疾患紹介「TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)」

TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)

  • 疾患のご紹介
  • 診療フローチャート

●患者数

国内に約30名の患者の存在が推定されている。

●概要

近年、国内外で注目されている自己炎症性疾患の一つであり、発熱、皮疹、筋肉痛、関節痛、漿膜炎などを繰り返し、時にアミロイドーシスを合併する。Ⅰ型TNF受容体の遺伝子変異が原因とされるが、詳しい病態は解明されていない。全身型若年性特発性関節炎や成人スチル病と症状が類似しており、鑑別が重要となる。

●原因の解明

1999年に責任遺伝子としてⅠ型TNF受容体が同定された。常染色体優性遺伝形式をとるが、孤発例も報告されている。遺伝子変異はⅠ型TNF受容体細胞外領域の特定ドメインに集中しており、受容体の構造変化が病態の形成に関与していると考えられているが、詳しい機構は不明である。

●主な症状

原因不明の発熱に加え、腹痛、筋肉痛、皮疹、関節痛、結膜炎・眼窩周囲浮腫、胸痛などの症状の幾つかを合併する事が多い。発熱発作は通常5日以上持続し、長い場合には数カ月続く事もある。これらの症状は数週間から数年の周期で繰り返される。

●主な合併症

最も重要な合併症はアミロイドーシスであり、約10%に認められる。その他、筋膜炎、心外膜炎、血管炎、多発性硬化症などの合併が報告されている。

●主な治療法

発作時に副腎皮質ステロイド剤を使用する事が多いが、症状の程度にはばらつきがあり、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)でコントロール可能な症例から、ステロイド剤に抵抗性の症例まで存在する。難治性症例に対し、抗TNF-α製剤(エタネルセプト)、抗IL−1製剤が有効な場合もある。

●担当

井田 弘明

  • 疾患のご紹介
  • 診療フローチャート